新規学卒就職者の離職状況~令和2年3月卒業者への厚労省調査などから

◆3年以内の離職率 新規高卒就職者37.0%、新規大卒就職者32.3%

人手不足の中、新卒入社の社員など若手の離職率は気になるところです。

厚生労働省は、令和2年3月卒業の新規学卒就職者の離職状況を取りまとめて公表しています。調査によれば、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が37.0%(前年度比1.1ポイント上昇)、新規大学卒就職者が32.3%(同0.8ポイント上昇)となっています。

◆事業所規模別、産業別の離職率

また、事業所規模別でみると、1,000人以上で高卒者26.6%、大卒者26.1%と3割を切るのに対し、5人未満で高卒者60.7%、大卒者54.1%、5~29人で高卒者51.3%、大卒者49.6%など、規模別の差が大きいことがわかります。

産業別では、宿泊業、飲食サービス業(大卒51.4%)、生活関連サービス業、娯楽業(同48.0%)、教育、学習支援業(同46.0%)、医療、福祉(同38.8%)、小売業(同38.5%)などで離職率の高さが目立っています。

◆人材の流出を防ぐために

株式会社リクルートマネジメントソリューションズによる「新人・若手の早期離職に関する実態調査」によれば、入社3年目以下社員の退職理由は、「労働環境・条件がよくない」(25.0%)、「給与水準に満足できない」(18.4%)、「職場の人間関係がよくない、合わない」「上司と合わない」「希望する働き方ができない」(14.5%)が挙がっています。

企業にとってはすぐに対応が難しい課題もありますが、人手不足の中で各社様々な工夫を始めている現状を踏まえ、自社でも人材の流出を防ぐための施策を検討したいところです。

【厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001158687.pdf

【リクルートマネジメントソリューションズ「新人・若手の早期離職に関する実態調査」】

https://www.recruit-ms.co.jp/upd/newsrelease/2311071355_6509.pdf