~厚労省 令和4年度「過労死等の労災補償状況」より
◆令和4年度の精神障害の労災請求件数、支給決定件数は過去最多
厚生労働省が公表した令和4年度「過労死等の労災補償状況」によれば、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、労災請求件数は2,683件で前年度比337件の増加、支給決定件数は710件で前年度比81件の増加となっています。 この数はいずれも統計開始から過去最多となっています。
◆業種別では医療・福祉、年齢別では40~49歳が最多
業種別では、医療・福祉(請求624件、支給決定164件)が最多となっており、次いで製造業(請求392件、支給決定104件)、卸売業・小売業(請求383件、支給決定100件)が続いています。
また、年齢別では、請求件数、支給決定件数いずれも40~49歳が最多となっています。
◆出来事の類型ではパワハラが最多
支給決定件数の出来事の類型別では「パワーハラスメント」が147件で最多となっています。その他、「同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」や「セクシュアルハラスメント」などハラスメント関連の類型によるものが目立ち、ハラスメントに関する問題は影響が大きいことがわかります。
◆労災認定基準の改正も
精神障害の労災認定基準については、業務による心理的負荷評価表の見直し(具体的出来事にいわゆるカスタマーハラスメントが追加等)がされるなど、近く改正予定となっています。引き続き職場のハラスメント対応やメンタルヘルス対応については気をつけていきたいところです。
【厚生労働省「令和4年度「過労死等の労災補償状況」精神障害の労災補償状況」】