「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では、65歳までの高年齢者雇用確保措置を講じるよう企業に義務付けているほか、70歳までの就業機会の確保を目的として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」という雇用による措置や、「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」という雇用以外の措置のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるように努めることを企業に義務付けています。
厚生労働省は、今年6月の時点で高齢者の雇用状況について従業員21人以上の全国の企業23万社あまりを対象に調査し、その結果を公表しました。主なポイントは次のとおりです。
◆65歳までの高年齢者雇用確保措置の実施状況
・65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%[変動なし]
・高年齢者雇用確保措置の措置内容別の内訳は、「継続雇用制度の導入」により実施している企業が69.2%[1.4ポイント減]、「定年の引上げ」により実施している企業は26.9%[1.4ポイント増]
◆70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況
・70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は29.7%[1.8ポイント増]
・中小企業では30.3%[1.8ポイント増加]、大企業では22.8%[2.4ポイント増]
厚生労働省は「人手不足が深刻な中小企業のほうが比較的、制度の導入に積極的な傾向が見てとれる。法律の施行以降、就業機会を確保する企業は増加していて、引き続き制度の導入や環境整備を働きかけていきたい」としています。
◆企業における定年制の状況
・65歳以上定年企業(定年制の廃止企業を含む)は30.8%[1.4ポイント増]
◆66歳以上まで働ける制度のある企業の状況
・66歳以上まで働ける制度のある企業は43.3%[2.6ポイント増]
・70歳以上まで働ける制度のある企業は41.6%[2.5ポイント増]
【厚生労働省「令和5年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)の集計結果」】