平成30年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定(令和2年9月に改定)するなど、政府は副業・兼業(以下、「副業」という)を推進しており、企業にもそのための対応を求めているところです。では、実際、労働者の副業の実施状況や副業への意識はどのようになっているのでしょうか。
◆副業をしている人は6.0%
独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した「副業者の就労に関する調査」(調査期間:令和4年10月3日~10月13日。有効回答:18万8,980人(18~64歳の男女))によれば、仕事を持つ人のうち「副業者」(仕事は2つ以上(副業をしている))の割合は 6.0%となっており、まだ副業をしている人の割合が高いとはいえない状況です。
また、本業の勤め先に副業をしていることを「知らせていない」が37.5%となっており、実際には副業をしていても本業先に伝えていない人も一定数いることがわかります。
◆副業を希望する人は約3割
調査数値をみるとまだ広まっているとはいえない副業ですが、同調査で、今後副業をしたいと思うか尋ねたところ「副業したいと思う」が33.2%となっています。これは「副業したいとは思わない」(46.2%)を下回りますが、副業を希望する理由の上位に挙がっている「収入を増やしたいから」「定年後に備えるため」の背景にある労働環境が続いていけば、今後副業の実施状況も変化するかもしれません。
◆副業にまつわる企業実務
副業者の労務に関しては、労働時間管理や労働・社会保険など実務上押さえておくべきポイントが多岐にわたります。今後は、副業者がいない企業についても、あらかじめこれらの知識をある程度身につけておく必要があるでしょう。
【独立行政法人労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」プレスリリース】