◆有効求人倍率は3年連続低下
厚生労働省は、毎月ハローワークにおける求人、求職、就職の状況を取りまとめ、一般職業紹介状況として公表していますが、2月1日に、令和3年12月分と令和3年分の数値を発表しています。
公表内容によれば、令和3年平均の有効求人倍率は1.13倍となり、前年の1.18倍を0.05ポイント下回っています。令和3年平均の有効求人は前年に比べ1.6%増、有効求職者は6.6%増となっており、コロナ禍による影響が長引いている状況が読み取れます。
◆直近の動き
一方、同時に出された令和3年12月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍となり、前月を0.01ポイント上回っています。有効求人(季節調整値)は前月に比べ1.8%増、有効求職者(同)は1.6%増、新規求人(原数値)は前年同月と比較すると12.2%増となっています。産業別では、製造業(34.6%増)、情報通信業(20.4%増)、運輸業・郵便業(16.2%増)、サービス業(他に分類されないもの)(15.1%増)などで増加となっているようです。
◆先行き不透明なものの持ち直している業種も
感染拡大の状況が不透明な中、企業側も一気に採用活動を活発化するというのも難しい状況ですが、業種によってはすでに感染拡大前を上回る水準となっているようです。
また、このタイミングで優秀な人材を獲得しようと戦略的に動く中小企業もあるようです。人材確保の課題は長期的にみると避けられないところですので、企業としても、自社の状況や市場を見極めながら、今後の採用活動の方針を検討したいところです。
【厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年12月分及び令和3年分)」